今、企業がすべきこと【1】ダイバーシティに関して
- 2016/10/12
- 編集長ブログ

先日、ダイバーシティに関する記事を掲載しました。
LGBTの就活
ここで今、企業がすべき取り組みについて、追加したいと思います。
ダイバーシティとは何か。
ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。 もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。 企業がダイバーシティを重視する背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがある。
<出典:ナビゲート>
人事部に在籍をしていた際、ダイバーシティに関する研修を企画・担当した経験がありますが、経営層が高らかに声をあげても、社員に研修を施したとしても、高額なコンサルティングを依頼しても、すぐに変えられることではありません。
初めて私がダイバーシティに関する仕事に携わったのが、2005年のことでした。
10年以上経過した現在、外から見ても、内部にいる社員に話をきいても、未だにその企業の本質的な考え方は変わっていないように感じます。
(あなたの仕事の質が悪かったのでは?という指摘は棚に上げておいて下さい🙇)
自分を振り返ってみても、本質的な考え方を変えることは難しいので、当然といえば当然のこと。
研修を受けたて数日は多少意識はするものの、その後はすっかり忘れてしまうものです。
しかしながら、それが自分の問題になったとき、考え方や行動は変わります。
例えば、女性なら、独身→結婚・出産したときとか、男性ならば、両親の介護など、時間の制約がある状態で働くことがどんなことなのか、自分以外の都合で自分の行動が左右されることはどんなことなのか、想像と実体験とでは全然違うことに気づきます。
企業がダイバーシティに関する施策で、同じ状況下におかれている社員同士のコミュニティをつくったりすることはよくあります。
確かに共感する点は多く、参考になることもあります。
それよりも、その状況が「想像できない」、あるいは「想像だけ」の社員に現状を伝える機会を継続的に創ることも必要ではないでしょうか。
将来もしかしたら自分もそうなるであろう現状を知ることは働く上で参考になりますし、何より同僚の気持ちを理解する習慣づけこそが職場風土改善につながると感じます。
また、自分と違った考え方等に触れることで新しい興味が生まれたり、アイデアが浮かんでくることは、人生を豊かにしてくれるはずです。
研修会場の壇上に上がって話してもらう必要はなく、ランチを食べながら、話をする機会で十分です。
しかし、このプロセスを社員の自主性に任せるとおそらく実現することはありません。
話したことのない社員に自分から話しかけて誘う勇気のある人は多くはないからです。
どうしても、企業の取り組みは、経営層からの「ダイバーシティ推進」というメッセージ、研修したという実績、コミュニティを創ったという事実、そしてそれを広報がプレスリリースという点に注力しがちですが、本当は、同僚の現状や気持ちを理解する習慣づけのように地味でコツコツすることにこそ、本質を変えるチャンスがあるのではないでしょうか。
就活生が就職先を決めるとき、「職場の風土」「職場の雰囲気」は、重要なポイントです。
最近、人気のあるタレント(グループ)の何が好きかというアンケートでも、ただ「楽曲がいいとか、演技がうまい」という能力だけでなく、「メンバーの仲の良さ」をあげる人も多いといわれています。
そして、「職場の風土」や「職場の雰囲気」は、就活サイト上での写真(イメージ)ではどうにかコントロールできても、残念ながら、実際に会社に入社した場合にごまかすことはできません。
それがGAP、短期離職につながるのです。
労働力の確保を目的としている企業には、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
(文:就活図鑑編集長)