ドクターX 〜外科医・大門未知子〜は採用されるか?
- 2016/12/15
- 編集長ブログ

人気ドラマのドクターX 〜外科医・大門未知子〜。
専門医としてのスキルが、並外れて高い彼女は、
「私、失敗しないので。」
という決めゼリフをもと、患者さんの命を救うことを第一優先とし、医師免許がなくてもできる雑用(教授の研究のお手伝い、論文の下調べ、院長回診、学会のお供、ゴルフの送り迎え…)は、
「いたしません。」
と突っぱね、雇用契約通り、17時になったらすぱっと帰る。
そんな働き方をしています。
世の中には、「あんな風に働けたらいいのに。」と思う人も多いでしょう。
もちろん、「失敗しない人」なんて現実はありえませんが、業務スキルが極めて高い人が存在することは否定できません。
しかしながら、会社の正社員として「大門未知子」を地でいくと…残念ながら、現在の日本社会では認めてもらえないケースが多いのが現状です。
なぜなら、日本の評価制度は、成果主義を導入しつつあるとはいえ、まだまだ労働時間や上司とのつきあいなど、業務スキルの高さとは違った点を評価しているから。
今、社会問題となっている「長時間労働」がなくならないのも、「評価制度」「脈々と受け継がれている会社の文化・考え方」がベースになっていると考えられます。
基本的には、一部の社員を除き、普通の社員は「できるだけ楽をして、たくさん給与(有給)がもらえればラッキー」と思うものです。
だけど、解雇されては元も子もないから、
- そこそこのスキルを身につけ
- そこそこの評価を得る
ために、とりあえず、帰りたいのはやまやまだけど上司が帰るまでは会社に残ろう、依頼されたら休日返上で出勤はしておこう、誘われたら飲みはつきあっておこうという思考回路になります。
実は、評価する上司自身、人事部から評価のガイドラインを参考にしても、何が正当な評価なのかわからなかったりしています。
自分で評価する立場になってはじめて、評価ってこんなに難しかったんだという管理職も少なくありません。
なので、「好き・嫌い」「過去に自分がされた評価軸を参考(←これが高度成長期のものだったり😵)」で評価してしまう。
つまり、上司側⇆部下側も、一番大事な「生産性を上げる」ことに注力できていません。
そして、いつの間にか、大門未知子のような、生産性の高い(業務スキルが高い)社員は、会社を去ってしまう。
労働人口が減る一方の日本で、労働力確保は企業の最重要課題のひとつ。
そんなことは、かなり昔から言われ続けていたのに、なかなか手をつけてこなかったツケが今まさに回ってきているのではないでしょうか。
大門未知子は極端な例かもしれませんが、今後フリーランスという働き方も増えてくるはずです。
- 「労働時間でないところ(むしろ時間内にすべき仕事を遂行できること)が評価される」
- 「やるべき仕事に注力できる(効率化された環境)」
- 「業務スキルが高いことが評価される」
上記のような世の中に、私たち大人がしていかなくてはなりません。
(文:就活図鑑編集長)