
こちらを閲覧していただいているということは、お子様の就職活動に対してかなり関心の高いお父様、お母様であることと存じます。
私もひとりの母親として、みなさまのお気持ちは十分理解できます。
ただ、これから申し上げることは、長年採用担当者として様々な学生、社会人と接してきて感じた職業人としての意見です。
お気に障る内容も多々あるかと存じますが、予め、ご理解いただき、本当の意味での親御様がすべきサポートをお願いいたします。
【アドバイス】
働くのは(お子様)本人であることを認識させてください。
さらに、働くのは親御様ではないことを認識してください。
昨日も都内の大学のキャリアセンターに訪問した際、就活の中心が親御さんになっているケースが増えていると伺いしました。
また、某企業のインターンシップのサポートをしていすスタッフから、就活生ではなく親御さんから問合せ電話を受けることが増加している報告をうけました。
具体的に事例をあげます。
- 親御様が、お子様に代わって、電話ないしメールで質問をする(内定をとるにはどうすればよいか、選考受けるには何が必要かなど)
- 親御様が、エントリーシートを作成している
- 親御様から会社説明会などの欠席連絡がくる
- 親御様が、選考結果(不合格)の理由を確認する
- 親御様が、提出最終日にエントリーシートを持参する
- 親御様が、会社説明会などの申込を行う
- (内定後)親御様が会社見学を希望する
また、間接的にも親御様の影響力が強いと感じる場面はたくさんあります。
具体的には、
- 内定の連絡をした際に就活生が、「仕事の内容的に働きたいのは御社ですが、両親が大手企業を希望しているので相談します。」と回答します。
- 面接の際、「御社への志望動機は両親のすすめです。」と言います。
- 親御様が、就活生を会社近くまで車で送迎する。
- 親御様が、就活生の忘れ物を会社近くまで本人に届ける。
基本的に直接的に親御様が関わってくる場合、その企業で内定に至る確率は、ほぼゼロと考えてください。
間接的に関わってくる場合、程度によっては、要注意のレッテルを貼られることになります。
これから自分が何十年も働いていこうとしている会社の就職活動を本人がやらない=そんな無責任な人は採用しません。
事情はあるにせよ、いかなる理由があっても自分のことは自分でさせるべきです。(もちろん、命に関わるような場合はこの限りではありません。)
人事は、入社後のことを見据えています。
就職活動で親御様が全面に出てくる場合、入社後も同じようなことが起きます。
- 体調不良のとき、上司に親御様から欠席連絡がくる。
- 配属先についての問合せが親御様からくる。
- 何か職場でトラブルになった際、本人ではなく親御様が出てくる。
もちろん、大事なお子様をお預かりしていることに変わりはありませんが、企業は学校ではありません。
子供のために良かれと思ったことが、結局足を引っ張ることにならないようご注意下さい。
また、お子様に依頼された場合、きっぱりと「自分のことは自分でするのが社会人の基本」であることをしっかりと説明して差し上げて下さい。
(文:就活図鑑編集部)