これから必要とされる人事 ー第4条件「人が大好きでない人」ー
- 2017/12/5
- 編集長ブログ

第4条件は、「人が大好きでない人」です。
なぜか。
社会人になってから「将来的に採用の仕事をしたい!」と社内公募・異動に手を挙げる人は多いです。
理由は、「人が大好きだから。」という方もいらっしゃいます。
正直、そういう考えの方は向いていないと思います。
なぜか。
私たちの仕事は、数分で人を判断しないといけないからです。
過去の経験上、「人が大好き」な場合、
- みんな何らかの長所がある
- どこかに適性があるのではないか
- 会社に入社したい意欲が高い人を不合格にするのは心苦しい
- やる気、会社が好きという想いがあれば、大丈夫だ
- 不合格と判断したのは自分だと思われたくない(嫌われたくない)
と考え、判断が遅くなる傾向があるように感じます。
だからといって採用担当者は、冷酷さが必要なのでしょうか。
そうではありません。
すぐに不合格という決断をすることも優しさのひとつなのです。
仮に入社意思が高い学生さんがいたとします。実力的には厳しくても意欲が高いという理由で採用したら、将来どんなことが待ち構えているでしょうか。
- 研修中についていけなくなってしまう。
- 配属先が見当たらない。
- 配属先でもなかなか仕事がうまくいかない。
- 職場で浮いてしまう。
- 同僚や仕事に慣れずに、精神的に病んでしまう。
- 最悪の結果は、短期離職してしまう。
これでは、本末転倒です。
こういったことを防止するためにあらゆる手法での「見極め」をしなければならないのです。
人事は、採用だけとは限りません。
入社してパフォーマンスが低い場合、該当する社員に退職してもらうという仕事も存在します。
自分がよかれと思った人に上記のような対応をしなければならないことは、相当しんどい。
入社して研修を実施すると、研修中の成績・態度がイマイチな方も存在します。
現場の労力を少しでも減らすために、研修中にできることは本人に向き合い、できていない点、改善すべき点を認識させること。
わかりやすくいうと、「だめだし」です。
「人が大好き」すぎると、上記をためらう方も多い。
もちろん、そうならないために精度の高い「採用活動」をすればいい。
とはいえ、現実問題、採用の成功率はよくて30%とも言われています。
本人の問題だけではなく、組織が関係していることもあり、なかなか一筋縄ではいきません。
だからこそ、人の気持ちを理解しながらも、冷静で公平な判断ができる人が必要なのです。
(文:就活図鑑編集長)