
6月後半から、「内定がとれない」という相談が増えています。
大学をきいたところ、いわゆるMARCHと呼ばれる、明治・青山学院・立教・中央・法政大学クラスの偏差値の方も少なくありません。
なぜMARCHクラスについて触れるかというと、
新卒採用を実施する企業で、採用したい学生の理想をMARCHクラスとしている企業が多いのなんの。
新卒をはじめて実施する企業だと、
「とりあえず、よくわからないけど目標はMARCHクラスの学生」
と言い出すほど、企業からは人気のある層だから。
さて、そんな大学の就活生がなぜ苦戦しているのでしょうか。
話をきいてみると、「コミュニケーション能力」の認識を誤っている方が多い傾向があります。
「コミュニケーション能力」
よく耳にする言葉ですが、非常に奥が深く、難しいものです。
企業が求める能力のひとつがコミュニケーション能力で、就活生のみなさんも重要だと理解しています。
しかしながら、コミュニケーション能力の定義が、社会人と学生では認識が違っているのです。
(さらにいうと社会人でもそもそもコミュニケーション能力って何か理解していない人もたくさんいます。)
【学生が考えるコミュニケーション能力の高い人】
話が上手、明るい、面白い、ノリがいい、プレゼンが上手、交友関係が広い…など
【企業が望むコミュニケーション能力の高い人】
自分がして欲しいことを他人にしてもらえる能力
(この人のいうことだったらきいてやろうかと思わせる能力)
上記の企業が望むコミュニケーション能力は、以下に分解することができます。
- 目的を自分自身が理解していること(何をしたいのか)
- 相手は適切なのか見極めること(相手は適切か)
- 相手に伝える準備(相手がどんな人か、どうすれば話をきいてもらえるか、話すタイミング、直接がいいのメールがいいのかなど)
- 実際に話す(実行力)
- 対話しながら探る(方法は間違っていないか、違う方向になったときの軌道修正など)
- 確認(言いたいことが伝わったか)
- サポート(相手にしてほしいことをしてもらうために自分ができることをする)
- クロージング+フォロー(相手にしてほしいことをしてもらう、お礼、関係を継続させる)
なんだか難しそうに思えるかもしれませんが、普段の生活に置き換えてみてください。
仮に、お小遣いを欲しいと思い、お母様にお願いするという状況を例にあげてみましょう。
(わかりやすいように簡単な例をあげています。)
- 「お小遣いをもらう」という目的を認識
- 父親か?母親か?それとも祖父母か?遊びに来ると言っていた叔父さんか?
- 母親は朝は忙しく、機嫌が悪い。夜のお風呂上がりに鼻歌を歌っていたら話しかけよう
- 話してみた
- どうやら今月は法事があるらしく、本当は1万円欲しいが5千円にしてみよう。なんか関係のない部屋を掃除しろという注意をうけてしまった
- いつくれるのか確認(うまくいけばその場でゲット??)
- 家事を手伝ってみる
- 無事にお小遣いゲット??お母さんありがとう、毎日何らの家事を手伝う
これが一連の流れです。
こういった自分のして欲しいことを相手にしてもらうためには、相手を知る必要があることが理解できるでしょう。
上記の例は自分の母親なので、簡単ですが、他人しかも年代の異なる人となれば、勝手は違います。
同年代の友人達とばかりコミュニケーションをとっていると、どうしてもこの経験が不足してしまうのです。
就活はもちろん、コミュニケーション能力が高いことは、社会人生活・プライベートを充実したものにさせてくれます。
せっかく手に入れたMARCHブランドを最大限に活用するために、コミュニケーション能力を身につけましょう。
(文:就活図鑑編集長 西村奈々)