
つい昨日、経団連の中西会長が新卒採用活動のルールを廃止すべきとの考えを示しました。
どういうことか。
現在、新卒採用スケジュールは、以下のような時期で行われるべきとされています。
<2020年3月卒業の場合>
2018年6月 インターンシップ広報解禁
2019年3月 就職サイト解禁
2019年6月 採用活動解禁
今回のニュースによると、2021年3月卒業者を対象とした採用については、上記のルールを見直すというものです。
学生が混乱している…という意見がメディアを騒がせています。
が、『上記のルールを完璧に守っている企業などほぼない』というのが採用現場の声であり、
学生の声ではないでしょうか。
- インターンシップという名のもとに、すでに内定者のめどは早期につけられています。
- 就活サイトは掲載されていませんが、社員のネットワークを利用しての広報活動は解禁前に行われています。
- さらにいうと、より戦略性の高い企業は、中高生はおろか小学生にも満たない子供たちにむけて広報活動を行っているのです。
つまり、別にルールを見直されたからといって混乱などおきません。
すでにルールを無視している企業からすると、「堂々と採用活動ができる。(会場に出す案内看板の名称に面接と表示しないなど余計な気を遣わなくて済む。」くらいなものです。
しかしながら、言及さているのはスケジュールだけではなく、当然のごとく続けられている『日本的新卒採用の仕組み』。
毎年やっているからやるではなく、企業側は、今一度『新卒採用全体』を見直す必要があるのではないでしょうか。
たまに、「なぜ新卒採用をやるのですか?」という質問に回答できない採用担当者も存在します。
「毎年やっているから。」
「予算が同じなので、掲載する媒体、採用ステップ、ターゲットとする人材、セミナー内容も昨年ベースでいいです。」…
本人たちは普通に発言されますが、疑問に感じないことにこちらが危機感を抱いてしまうことも多々あります。
これをいい機会に企業は「新卒採用」を再考すべきです。
さて、学生のみなさんはどう対策すべきでしょうか。
特段、このニュースがあったからといって気に病むことは何もありません。
採用したい企業は、積極的にみなさんにアプローチをしてくるでしょうし、就活サイトの運営企業(○ナビなど)での広報や、キャリアセンターなどでもアナウンスは必ずあります。
もしも、どうしても気になる企業があれば、定期的に採用情報を閲覧すればいいし、その業界のOB・OGとコンタクトをとっておけばいいでしょう。
自分たちがコントロールできないことで、無駄に悩む必要はありません。
今の時期は、自分がやりたいこと、将来必要だと思うことを精いっぱいやりましょう。
それが、数年先の就活あるいは仕事につながっていきます。
(文:就活図鑑編集長 西村奈々)